らーぜ☆

□想いは同じ
1ページ/1ページ




「水谷、起きて!」


「ん〜…」



「…目ェ覚ましてよ、文貴」



覚めちゃったよ、名前なんて呼ぶから。
その声に包まれてる気分になって、顔が緩む。

「ご飯できてるよ。もう昼前だからブランチになっちゃうね」
言いながらカーテンと窓を開け、陽の光とそよ風に和らぐ顔。


それに少し見惚れながら、準備しなきゃ、と部屋を出ようとしたらふと腕をつかまれる。
俯いてもう少しだけ…なんて言うかわいい栄口を抱きしめる。


「おはよ、水谷」

「もう名前呼んでくんないの?」

「……おはよふみき…」

「おはよ、勇人」


肩に顔うずめて隠してるけど、赤くなってんの、分かってるよ?

あー幸せだなって思う。


だから、お願い。
俺のそばにいて
ずっとずっと栄口のこと、好きだから。
俺はいなくなったりしないよ。
この想い届くといいな、願いが叶いますように!!




窓から見下ろす街並みは騒がしい。いつもの俺の部屋は水谷がいるだけでまるで違って見えて。俺たちの関係って、世間からはまだまだ『フツウ』とは言い切れない。

だからさ、
どこか遠くだれもいない世界に、2人
このまま瞬間をとめて、行かない?
このまま瞬間が2人を連れ去ってくれればいいのに。


だから、お願い。
俺のそばにいてくれない?
水谷のこと、好きなんだよ。
もう大切な人を失いたくない。
口には出さない、でも届いて欲しい、この願いが叶いますように…




♪AM11:00

2009.07.17



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ