らーぜ☆
□想いは同じ
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「水谷、起きて!」
「ん〜…」
「…目ェ覚ましてよ、文貴」
覚めちゃったよ、名前なんて呼ぶから。
その声に包まれてる気分になって、顔が緩む。
「ご飯できてるよ。もう昼前だからブランチになっちゃうね」
言いながらカーテンと窓を開け、陽の光とそよ風に和らぐ顔。
それに少し見惚れながら、準備しなきゃ、と部屋を出ようとしたらふと腕をつかまれる。
俯いてもう少しだけ…なんて言うかわいい栄口を抱きしめる。
「おはよ、水谷」
「もう名前呼んでくんないの?」
「……おはよふみき…」
「おはよ、勇人」
肩に顔うずめて隠してるけど、赤くなってんの、分かってるよ?
あー幸せだなって思う。
だから、お願い。
俺のそばにいて
ずっとずっと栄口のこと、好きだから。
俺はいなくなったりしないよ。
この想い届くといいな、願いが叶いますように!!
窓から見下ろす街並みは騒がしい。いつもの俺の部屋は水谷がいるだけでまるで違って見えて。俺たちの関係って、世間からはまだまだ『フツウ』とは言い切れない。
だからさ、
どこか遠くだれもいない世界に、2人
このまま瞬間をとめて、行かない?
このまま瞬間が2人を連れ去ってくれればいいのに。
だから、お願い。
俺のそばにいてくれない?
水谷のこと、好きなんだよ。
もう大切な人を失いたくない。
口には出さない、でも届いて欲しい、この願いが叶いますように…
♪AM11:00
2009.07.17