王道小説

□黄緑色とキュウリ好き
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凄い凄いと連呼する俺を
すぐ隣にいたゼツは不思議そうにジロジロと見てくる
 
 
「…毎年作ってるよ?」
「ソンナニ凄イコトナンテ無イゾ…」
 
「凄いって…俺、好きだし」
 
 
そう呟いた俺をゼツは目を丸くして見つめた
 
 
「え…?キュウリ好きだったの…?」
「初耳ダナ…テユーカ似合ワナイ」
 
 
そう返してきたゼツに俺はさらに
 
 
「大好き、だな」
 
 
そう返し、そして
 
 
「立派に育てばいいな」
 
 
と付け足した
俺のそんな一言に
 
うん、と嬉しそうに頷くゼツ
 
 
 
《黄緑色とキュウリ好き》
 
 
俺が本当に好きなのは キュウリなんかじゃない
だが、お前がそんな風に勘違いするならば…
お前の隣にいる口実になるならば
 
キュウリ好き、演じてやろうじゃないか
 
 
 
END
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