忍足受
□跡部はぴば
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しばらくすると跡部の手はもう離され、横を歩いている。
人気が多くなってきたからだ。
――♪♪♪
跡部の携帯の着信音が鳴り出した。
跡部は明らかに不機嫌な顔になり、電話の電源を消した。
その行動を見て不思議になり、ちら、と横を見ると跡部は小さくため息を吐いた。
「家からだ。パーティに来いという催促だろう」
「…行かんでええんか?親御さん、待っとるんちゃう?」
親御さんも息子の誕生日を祝いたいだろうに。
そう考えていると、呆れた目で跡部に見られた。
「馬鹿かてめえは。俺はお前と居てぇんだよ」
「…すまん」
「ったくお前は」
心なしか跡部の顔が少し赤いような気がして、少し可笑しくなり笑った。
いつものサブい台詞のときは何ともない癖に、自分の前だとこうして照れたりする跡部に、嬉しくもあった。
「何笑ってやがる」
「いーや。跡部可愛いなぁ思うて」
「アァ!?…今夜覚悟しとけよ」
「あぁ、そのつもりや」
「可愛くねえ奴」
「結構や」
そのまま二人は、甘い甘い口付けを交わした。
<おまけ>
「で。今から何処行くん?」
「アァ?んなもん、お前んちに決まってんじゃねーか」
「ハァ!?俺んちぃ?」
「悪いか」
「せや言うたって何もないで…?」
「大切な日を好きな奴の家で過ごす。これ以上のことはねえだろ」
「跡部…」
「一生、そばにいてくれ」
「…何言うとるん。そんなん当たり前や」
チャンチャン。