銀月(後)2
□禁断症状
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「3Z部屋」の「3ZCM劇場 ケンカ編」の続きです。
それを読んでいなくても分かる話ですが、読んだ方が状況は分かりやすいと思います。
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それが無いと、不安で不安で。
それが無いと、寂しくて寂しくて。
いつからだろう、こんなに手放せなくなったのは。
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玄関先でしばらく抱きついていた銀八に、月詠が声をかけた。
「銀八・・さすがに寒かろう。中に入らねば風邪をひくぞ。」
「そうだな。」
リビングへ入り、暖房のスイッチをつける。
生暖かい空気が流れ、しばらくしたら部屋も暖まるだろう、と月詠はほっと息を吐いた。
後ろから抱きすくめられたのは、その時。
振り向くと、ニコリと笑った銀八の顔があり、どうしたのかと聞く間も無く両腕を掴まれて、部屋の壁に背中を押し付けられた。
「な・・・」
言いかけた月詠の唇を、銀八がふさぐ。
舌が差し入れられ、歯をなぞり、舌に絡められそして吸い上げられる。
寒い部屋の空気の中で、銀八の体だけ暖かい気がして、月詠は我知らず銀八の体に腕を回してつかまった。
「なぁ。」
口づけの合間に、銀八が耳元で囁く。
部屋が暖まるまで、やっぱ、温めあわねぇ?
ひんやりとした銀八の手が、月詠の頬を撫でた。