銀月(後)2
□そこに愛はあるのか?
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どんな人間であれ、苦手な物はある。
吉原の救世主とて同じ事。
しかし、残念ながら坂田銀時には苦手な物が多すぎる。
「なんじゃ、ぬし、いい年してお化けが苦手なのか?」
「うるせぇ、俺はいつまでも純真な子供の心持ってんだよ。」
「蜘蛛も苦手であったし、カナヅチだし・・真面目に働くのも苦手じゃな。」
どんな強い相手にでも向かっていく心は持っているクセに、普段は本当にマダオなのだから。
そう思いつつ、月詠は笑った。
「じゃあ、お前は、怖い物ないのか!?」
悔し紛れに、銀時が聞く。
「怖い物・・?」
月詠は少し考えた。
しばらく思案した後、ポツリと言った。
「ぬしが・・わっちから離れてしまう事かのう・・・」
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「母ちゃーーーーん、銀さんが、店先で転げまわって悶えてるけど。」
「ああ、放っておきな。そのうち正気に戻るだろうから。」
「日輪・・これの効き目は凄いものじゃのう。」
「そりゃ、吉原の虎の巻だからね♪フフ、銀さん一発KOなんて、やっぱり月詠は才能あったんだわ〜♪」
月詠が手にしているのは「吉原、恋のテクニック・『男とオトす秘密の言葉』集」
昔、遊女としてのたしなみとして配られたは良いが、全く読まずに置いていた本であったが・・・
暇つぶしに読んでいるところを日輪が見て「何事も実践しなきゃ♪」と言い出したのである。
「銀時が単純すぎるようなだけ、という気もするのだがの・・」
相変わらず悶えている銀時を見ながら、月詠はしみじみと思った。
終
◎ツッキーは基本天然で銀ちゃんを萌えさせる、というのが理想ですが、たまには月詠が銀ちゃんで遊んでみた、というのも良いかなぁ・・と。