長編2

□5(完)
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僕は全速力で階段を駆け下りた。

病院の外に車が停めてあるのが見える。

あれに乗せられたら・・・。
僕は焦った。

すると、暴漢達の間に、誰かが飛び込んでいくのが見えた。

あれ?旦那???

旦那は、道を阻もうとしている男達をどんどんなぎ倒して行く。

男達も旦那の強さに気付いたのか、外の車からも援軍が出てきた。

「旦那!!」

階段から降りて猛ダッシュしながら、僕は叫んだ。

「山崎ィ!お前は月詠達を!」

「ハイ!」

僕は月詠さん達を捕まえている男達に殴りかかった。

僕だって真選組の一員だ。

男達を倒し、2人を背にかばう。

月詠さんも晴太君も口に猿ぐつわをかまされており、月詠さんの方はグッタリしていた。

「月詠さん!晴太君!!」

2人の猿ぐつわを外すと、晴太君が泣きながら言った。

「オイラがいたせいで・・月詠姐、抵抗も出来なくて・・ゴメンなさい。」

「晴太ぁ!泣いてる暇があったら月詠達と逃げろ!山崎、2人を連れて戻れ!」

旦那が叫ぶ。

「でも、旦那・・!」

「うるせぇ!」

旦那は男達と僕達の間に立ちはだかる。

顔からは怒りが溢れていた。

僕は初めて見た。旦那のこんな顔。

男達もただならぬ雰囲気を感じたらしい。

皆近寄れずにいる。

この隙に、2人を連れて助けを呼びに行かないと・・・僕は月詠さんの体を抱えようとした。

月詠さんがううっと呻いて、目を覚ます。

「わっちは・・・」

「月詠さん、今は静かに。ひとまず逃げないと・・」

月詠さんは周りを見渡し、旦那を見て動きが止まった。

「・・・・?」

ジッと旦那を見つめていた。
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