銀月(後)2
□休み明けに制服着るのってちょっと緊張。
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正月気分もまだ少し残る1月某日。
久しぶりの恋人との逢瀬に、坂田銀時は浮かれていた。
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休み明けに制服着るのって、ちょっと緊張
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「・・・ちょ、ちょっと、待ちなんし!」
「いや、月詠さん、今日は無理。もう無理。」
月詠に会うなり、銀時は彼女を近くの宿まで引っ張り込んだ。
「10日以上ご無沙汰だったんだから、もう我慢できない。」
「・・・だからと言って・・」
年末年始、大忙しだった月詠とは、しばらくデートしていない。
おかげで、久々の逢瀬に、部屋に入った時には銀時は既に息が荒くなっている。
既に野獣モードの銀時を、なんとか月詠は押しのけた。
「・・・な、なら、せめて風呂でも入らせて・・」
「・・・ん、そうだな。そうだ、一緒に入るぞ。」
「いや、それは遠慮・・・」
「何言ってんの♪すみからすみまで洗ってやるから〜」
それが勘弁・・と言いたいのだが、既に銀時は服を脱いでパンツ一丁状態になっていた。
そして月詠の手を引いて風呂場へ行こう・・とした時、
月詠は気づいてしまった。
「・・・銀時。」
「ん?」
「・・・腹。」
「は?」
月詠はおもむろに、銀時の腹の肉をつまんだ。
「・・・なんじゃ?この肉は。」
「いや・・その。」
「ぬし・・こんなに贅肉ついておったかのう?」
年末年始何していた・・?と恐ろしい顔でにらむ。
銀時が思い出すと・・・
忘年会と新年会と家で食っちゃ寝の時間しか思い出せない。
「・・・ぬし、ちょっとは体を鍛えようとは思わぬのか・・?」
「いや、努力とか根性とか、俺、苦手でして・・・」
キラリ、と月詠の目が光った。・・気がした。
「表へ出ろ!まずランニング10km!!」
「ええええええ???」
「その弛んだ体と心をたたき直す!!」
「ちょっと待ってーー!!!」
「問答無用じゃ!」
それからしばらくの間、吉原では早朝ランニングをする一人の男の姿があった・・・らしい。
終
◎あれだけ自堕落な生活送ってるんだから、太らない方がおかしいよね。銀ちゃんって。