長編2
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「・・・ぬしは、無茶をする男じゃな。」
「お前には負けると思うぞ。」
俺の知ってるお前の方だけどな。笑う銀時に、月詠も微笑み返した。
火事は幸いにも大きく広がる事はなく、無事鎮火された。
ストーカーの男は百華に連行されていった。
もしかしたらあのまま火事で死んでいた方が楽だったかもしれぬな。
月詠が言ったが、さすがに銀時もそこまで責任が持てない。
泣きじゃくる茜から月詠は事情を聞くと、すまぬ、わっちが至らぬせいでと謝り、一層茜を泣かせる事となった。
そして・・・
「なんじゃ?銀時。」
家が燃えたという事で、月詠達は近くの宿に部屋を借りる事となった。
銀時も自室でしばらく月を眺めていたが、考えた末、月詠の部屋を訪ねる事にした。
月詠は窓辺で街を眺めながら、キセルを吹かしていた。
その姿はまさに銀時の知っている月詠で。
これから話すことを考えると銀時は胸が痛んだ。