長編2
□7(完)
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夢の中で銀時は言った。
辛い時は、泣けば良い。
辛い時は、逃げても良い。
何処へ行っても、俺はお前を護るから。
何処へ行っても、俺はお前を見つけるから。
その言葉は、果たして彼の人に伝わったのか。
もう一度、銀時は大きな声で叫ぼうとした。
俺は・・・
「銀ちゃんーー!!」
「銀さん!!」
銀時が目にしたのは、白い天井。
そして、心配そうに自分を見つめる、新八と神楽の顔だった。
意識を失ってから数日後。
銀時は、ようやく目を覚ました。
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どうやら、夢魔とかいう化け物のせいで、夢の世界にいたらしい。
夢魔を捕まえるのに大奮闘した新八と神楽からは、その武勇伝を何度も聞かされる事となった。
「で、何の夢みてたんですか?」
「・・・覚えてねぇ・・」
「嘘ついちゃダメアル。正直に話すネ。」
「本当に覚えてねぇんだよ!!」
本当に、覚えていなかった。
起きた当初は少しは覚えていたのだが・・時間が経つ毎にそれは薄れていった。
たまが夢の世界に入ったというので、夢の内容を聞いてみたのだが「銀時様から誰にも言わないように言われました。」と言われ、答えてもらえない。
「・・・ま、いっか。所詮、夢だし。」
夢はともかく、体の方は驚異的回復力を見せ、すぐに退院の運びとなった。