銀月(後)2

□人生にマニュアルなんてない。
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『吉原恋愛テクニック その4

時には冷たく、時には甘えるように、色々な表情を見せましょう。
ギャップを見せる事により、相手を更に魅了できます。』

「・・・・」

暇つぶしにこんな本を読むのではなかった。

月詠は本を閉じた。

**********

正月。

年賀状が一枚、届いた。

「結婚しました。」

そこにある写真の男。

あらあら、と日輪は笑い、えー!と晴太は驚いていた。

そして、自分は・・・・。

そうか。祝いの言葉を送らねばな、と言った。



怖くて自分から連絡など出来なかった。

向こうからも連絡など来なかった。

とりあえず、返信も兼ねて年賀状を出した。

日輪と晴太が余計な事を書いていたので、修正しておいた。



あれからしばらく経つが、あいつからは何も連絡は来ない。

こんなものか、終わりなんて・・・。

分かっている。

吉原の女など、そんな運命。



月詠は、今日何度目かのため息をついた。
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