長編2
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「銀ちゃん!!」
「銀さん!!」
月詠を抱えて、銀時が化け猫の前に立ちふさがった。
『お前・・』
「よぉ、逃がしゃしねぇよ。」
不敵に笑う銀時に向って、化け猫が吼えた。
すると、周りを囲んでいた猫達がいっせいに銀時に襲い掛かった。
「ぐあっ!!何だ?この猫達は。」
洞爺湖で叩き落していくが、何分数が多い。
新八と神楽も加勢に入るが、叩き落しても向ってくる猫達に推され気味になる。
「ギン、こいつ等、俺の話が聞こえてねぇ。多分、あいつに操られてんだ。」
襲ってくる猫達を払いながら、ホウイチが叫ぶ。
「そうは言っても・・・」
「数が多すぎるアル!」
何処からともなく集まってくる猫達に、ひのや一帯はすっかり囲まれた。
新八と神楽、月詠を抱えた銀時が、店を背に、追い詰められる。
『命が惜しくば、そいつを渡せ。』
「うるせぇ。んな事言われて、自分の女渡すバカがいるか。」
銀時のにらみに、化け猫が笑った。
『なら、終わりだ』
化け猫の目が、赤く光った。