長編2
□9(完)
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光の中に、人間の顔が現れる。
瞳を閉じたその顔は、確かに月詠の姿。
ホッと銀時は息を吐いた。
月詠の体にそっと触れると、温かい体温の感触が伝わった。
「良かった、元にって・・・あれ?」
おかしい・・・体に触れているはずのに、着物の感触がしない。
それに、気のせいか、光の中から肌色が見えてくる。
光が薄まるにつれて、それは、はっきりとしてきて。
「えっと・・・コイツが猫になった時、着物だけ落ちてた・・・よな。」
という事は・・・?
光が消えていく。
中から現れたのは、白い肌も露な・・・。
「銀ちゃん、ツッキー大丈夫アルか?」
「銀さん、化け猫はどうなって・・」
銀時は月詠の体を隠すように覆い被さると、駆け寄ってくる新八に向かって叫んだ。
「新八!お前向こう向け!!!こっち見たら殺す!!!」
肌も露な月詠の姿が完全に現れたのと、銀時が慌てて自分の着流しを月詠にかけたのは、ほぼ同時だった。