その他
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その謎は、お登勢オババがあっさりと答えを出した。
「ああ、なんか最近モテ期みたいだよ。」
私が万事屋へ着くと銀ちゃん達は留守で。
後から来る新八を待つついでに、お登勢オババの所へ顔を出した。
暇つぶしにさっきの手紙の話をすると、オババは大して驚いた風でも無く答えた。
「新八がラブレター貰うなんて、世も末アル。ババァ、今日は雪アルヨ。」
言うと、オババは笑って言った。
「アンタはしばらく地球にいなかったから知らないだろうけどさ。最近、新八のファンだって子が時々現れるんだよ。」
「マジでか?」
思わず身を乗り出した。
オババは、でもそれも分からないでもないよ、と事もなげに答える。
「そりゃ、新八は地味だけどさ。見た目優しそうだろ?顔だってそこそこだし、背も伸びたから、ここら辺の若いお嬢ちゃん達には『優しくて強いお兄さん』って見られてるみたいだよ。」
「でも、あいつはただのメガネアル。」
「そりゃ、銀時と比べたら、新八はまだまだだろうけどさ。そこら辺のチンピラよりはずっと強くなってるよ。そりゃ、少しはモテても不思議はないよ。」
「ふーん。」
私には一切理解できない話だが、どうやら最近の女子は目も頭もおかしくなってきてるらしい。
そりゃ、背は少し伸びたみたいだけどさ。
この前、私が取れなかった花を、新八はいとも簡単に取った。
その時、あいつの身長が、私の思っていたのよりずっと高い事に気づいた。
それだけだ。あいつが変わったのなんて、それだけだ。
「あんなのが良く見えるなんて、世も末ネ。」
「あんたはね、ずっと近くにいたから気づかないだけさ。」
そう言うと、オババは用事があると言って店の奥へ引っ込んで行った。
一人、店に残される。
なんだか、面白くない。