銀月(後)2

□夏の夜は幻
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「なんつってな。見つからなきゃ良いんだよ。」

通りから外れ、少し奥まったところへ来ると土方は懐から煙草を取り出した。

「・・・良いのか?」

「んじゃ我慢するか?」

差し出されたライターを前に、月詠はまぁいいか、と煙管を差し出す。

二人でふぅ、と煙を吸い、吐く。

しばらく二人で世間話などしながら一服を楽しんでいると




「・・何で、お前が此処にいる。」

「銀時?」

祭りの明かりを背に、銀時がカキ氷を手に立っていた。思ったより早く、順番が回って来たらしい。自分の事を探したのであろうか、声が不機嫌だ。

「すまぬ。ぬしが戻ってくるまでに吸い終わるつもりじゃったのだが・・・」

言い終わる前に、腕がぐい、と引かれた。

「んな事どーでも良いが、何でテメェが一緒なんだよ。」

銀時の視線は、どうやら土方へ向っているらしい。銀時のにらみを正面から受け、土方が鼻で笑った。

わざとゆっくり、煙草を携帯灰皿でもみ消すと土方はこちらへ歩いてきた。

そしてすれ違いざまに月詠の肩をぽん、と叩き「あんたも苦労すんねぇ」と笑う。

「あ・・いや、別に・・」

「さっさと仕事しろ、税金泥棒が。」

「そうかいそうかい、じゃあな。」

振り向く事なく手だけ振り、土方が通りへ向う。

「そんなに心配なら、首に縄でもつけてろってんだ。ま、それで愛想つかされても俺は知らねぇがな。」

消えろ、ニコ中。

銀時の声に、土方がクックと笑うのが、聞こえた。
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