銀月(後)2
□勘違い的な彼女
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手足を拘束され、銀時は布団の上へと投げ出された。
それを見下ろすように、月詠が隣に立つ。
「本当はちゃんとした衣装が良いのだろうが・・すまぬ、そこまで気が回らなくて。」
するり、と月詠が着物の帯をほどいた。白い肩が露わになって、自分のおかれた状況を一瞬忘れて銀時がゴクリ、と息を飲む。
さらり、と音がして着物が畳の上に落ちた。そこから現れたのは、黒い下着と白い肌。下着は普段のそれよりも一段とレースが多くゴージャスで、しかも一段とラインが際どい。
豊満な胸は下着によって更に強調され盛り上がり、こぼれんばかりであった。
黒のパンティはこれまた愛らしい紐仕様で、白い腰に映える蝶の形が、いかにも「ほどいて下さい」と言わんばかりに銀時に訴えかける。
「これで・・勘弁してくれるか?」
「勘弁も何も・・・いや縛られて無ければこれ以上ないほど銀さん嬉しいんですけどぉ・・・」
目の前に大好物があるのに自分は動けない。この状況では喜んでいいのか悲しんでいいのか分からず、銀時はただ困惑するばかりであった。そんな銀時の表情をどう思ったのであろうか、月詠がふ、と微笑む。
クナイのかんざしをす、と取り外す。金色の髪がさらりと流れ、月詠の顔を覆った。
その妖艶な姿に、銀時が思わず見とれる。
月詠はひざまずくと、銀時の頭を抱いた。胸の谷間に顔を埋める銀時の髪を、優しく撫でる。
「銀時。無理をせずとも良い。わっちには本当のぬしを見せてくれ。
わっちは、どんな姿であろうともぬしを受け入れるつもりじゃ。
ぬしの為なら、どんな苦も厭わぬ。」
・・・その台詞、銀さん涙出るほど嬉しいんだけど。
ただこの場面で言われてもね。シリアスな場面とかハッピーシリーズとかそういうので言ってもらえません???
そう言いたいのだがちょうど胸に顔を押し付けられ、上手く言葉に出来ない。ふがふがと声をあげ、銀時は身をよじった。
何とか顔をあげると、「ちょっと待て!」と訴える。
「銀時・・・今日はわっちに任せよ。」
「絶対ダメ!何かヤバイ気がする!!絶対する!!俺こういうの勘がいいから!絶対当たるから!!」
「・・・」
これ以上ないほど哀しそうな瞳を月詠は銀時に向けた。
「お前今、俺が無理してるとか思ってるだろ?
自分が出来る事を一生懸命やろうとか真面目に思ってるだろ??
それは勘違いだ!単なる勘違いだ!目を覚ませ!!」
「もう、何も言わんで良い。わっちに任せるのじゃ。」
ふぅ、と哀しげに息を吐くと月詠が銀時のズボンに手をかけた。
ええ??と銀時が困惑する間にチャックを下ろし、そっとその隙間から手を入れた。その中の感触に月詠がくすり、と笑う。
「何じゃ、もう固くなっておるではないか?」
「いや、これは単に太夫のセクシー姿にですね、反応しただけで。」
ふふ、と月詠がズボンと下着を一気に下ろした。上着は着衣しているのに下は裸、という何とも恥ずかしい姿に、銀時がうわ!と声をあげる。
抗議にも似た銀時の叫びを無視すると、月詠は固くなり始めた銀時自身を優しく手で包んだ。細い指が優しくそれを撫で、しごき、包み込む。
「・・・っく。」
やり方を教えたのは自分とは言え、いつの間にか上達した愛撫に、銀時も小さく息を吐いた。くすくす、と月詠は笑うと、顔を銀時の前に持ってくる。
荒く息を吐く銀時の唇に顔を寄せると、ぺろり、と舌で舐めた。
「・・・テメー、いい加減にしろっつーの。」
「ふふ、上の口はあまのじゃくじゃな。」
下は正直じゃ・・そう言いながら銀時自身を強く握りしめ、激しくこすり上げた。強い刺激に、銀時も体が熱くなる。その熱が中心に集まり、放出をしたい、という欲求に体が支配されそうになる。
「・・っ!」
ぱっと手が離された。それまでの刺激から解放され、行き場の無い熱が銀時の体を駆け巡る。
「なら、そろそろ本番行くかのう。」
ごそごそ、と月詠がバックを探る。中から出て来たのは・・・太いローソク。ふ、と笑うと月詠がそれに火をつけた。熱に溶け、たらり、と蝋が垂れる。
「ちょっとタンマ!!!俺熱いの嫌いだから!!!猫舌だから!!!」
「大丈夫じゃ。初心者向けのやり方を聞いておる。」
蝋燭を手に、月詠が妖しく微笑んだ。