長編2
□ボクと悪魔の七日間
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【1日目】
「銀時!おい、銀時!!起きろ!!!」
窓の外から聞こえる声に、銀時は目を覚ました。
眠気に勝てず布団を被って惰眠をむさぼろうと思うが、それを遮るように銀時と更に大声がする。
だぁぁ!と布団を蹴飛ばすと銀時は飛び起きた。
「うるせぇ!!ヅラ、テメェ一度呼べば分かるんだよ!!!」
窓をガラリと開け、銀時は叫んだ。
二階から見下ろすと、そこには腐れ縁、桂の姿。
いつものようにピシリと身支度をし、嫌になるほど清々しい顔をして立っている。
「貴様が一度で起きるか!!俺は先に行くからな。お前も今日は遅れずに授業に出るのだぞ!!!」
言い放つと、桂はさっさと通りを歩いて行った。
「・・・ったく、うるせぇ奴。」
頭を抱えながら銀時は部屋を振り返った。
一人暮らしの小さなワンルーム。煩雑に物が散らばった部屋。
目覚ましをかけていたはずだったが、どうやら寝ぼけたまま止めて、二度寝してしまったらしい。
枕元に倒れていた時計を確認する。
「やべぇ。」
これは、確かに時間がない。
出席日数ギリギリの身としては、これ以上の欠席も遅刻も避けたい所だ。
目覚ましを放り投げると、銀時はパジャマ代わりの短パンを脱いだ。
肌着代わりのTシャツとパンツだけの姿になると、適当な服を見つくろうと引き出しを開ける。
その時、女の声がした。
「・・・久しぶりじゃのう。」
「・・・は?」
誰?
銀時が振り向くと、そこには女の姿。
黒い着物を着た、金色の髪の女だった。