銀月(後)2
□ハロウィンなんて大嫌い
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その日、真選組副長、土方十四郎は不機嫌だった。
始まりは、数日前の事。
ネットプリント会社から、「御注文の品です」と謎の写真が届いた。
そこに写っていたのは、仮装をした女の写真。
始めは、山崎が調査で撮った写真かと思った。それが何の間違いかで、自分の下へ来たのかと。
しかし、自身が忙しかった事、山崎が潜入捜査で不在であった事を理由に、確認を後回しにした。
その写真を良く確認しなかった事を、彼は後に後悔する。
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そして、今朝。
起きたら、部屋に謎の人形があった。
先日の写真の女をもとに作ったと思われる、人形。
それは”フィギィア”と呼ばれる・・・
オタクな男がこよなく愛するアイテム。
まさか・・
アイツが・・
そんな訳は・・・
そして、その時気付いた。
女の顔に何となく見覚えがあった事。
そう、その女は。
よりによって、あの馬鹿男の恋人だったはず。
これは・・何かとても良くない予感がする。
早く・・・事実を確認しないと。
そう思ったその時。
「土方ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
出て来い貴様ーーーー!!!!!
今日こそ冥土に送ってやるわ!!!!!!」
そう・・・この世で最も相性の悪い男。
万事屋の声がした。