銀月(後)2
□ハロウィンなんて大嫌い
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屯所入口へ出てくると、殺気を放った万事屋がいた。
その顔からもただならぬ雰囲気を感じるのか、隊員達は遠巻きに見ているだけである。
そして、土方の姿を見つけた銀時は、いつもの木刀を構えると言った。
「土方ぁぁぁぁ!!てめぇ、やっぱ月詠狙ってやがったなぁぁぁぁぁ!!ぶっ殺す!!」
「うるせぇ、何の話だ!?万事屋。」
「とぼけんなぁ!この前のハロウィン、お前そっくりのオタクが写真バシバシ撮ってたって月詠本人が言ってたんだぁぁぁ!!
お前・・トッシーはもう消えたとか言って、本当はまだオタクの血が残ってるんだろうがぁぁぁぁ!!
それはいい・・テメェの勝手だ。だがなぁ・・人のオンナにちょっかい出すなんざ・・覚悟できてんだろうなぁ・・・」
「知るか、トッシーは消えたんだ。」
言いながらも、土方の背中を冷や汗が流れた。
やはりあの写真・・フィギュア・・。
消えたはずのトッシーがまだいたのか・・?
しかしアイツは、生身の女に興味ないはず。
何故万事屋の女に・・?
「土方さん、旦那のオンナに手ぇ出したんですか?そりゃ、人の道に外れてるってもんでさぁ。」
「総悟!?違うっってんだろうが!!!」
「トシ・・辛い恋の話なら、俺に言ってくれれば良いのに・・」
「近藤さん!?誤解だってば!!何泣いてんのぉーー??!!」
いつの間にか沖田と近藤も入口まで来ている。
「土方・・丁度良い機会だ。今度こそ冥土に送ってやる・・・!」
「いや、だから、落ち着け、万事屋。」
土方としては、思い当たる節がある故に、あまり強く言えないが・・記憶に無いだけに素直に認める訳もいかない。
「問答無用!!!!」
「待てってーーーー!!!!!」