長編2

□そして僕は 1
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「お前等、何してんの?」

いきなり後ろから話しかけられて、僕は飛び上がりそうになった。


「銀時?」

「だ・・・旦那!」

振り向くと、そこには万事屋の旦那。

しまった、月詠さんと一緒の所なんて見られたら、マジ切れされるかも。
土方さんとマジバトルしたらしいしな・・

なんて思っていたけど、旦那は平然とした顔をしている。


「なんだ、お前、たい焼き食いたかったの?」

「まあ・・な。」


少し照れたように月詠さんが言った。
たい焼き食べてる所見られたのが、少し恥ずかしいらしい。


「んで、何でお前はココにいるんだ?」

旦那が僕の方を振り向いて言った。

「山崎殿は道案内をしてくれたのじゃ」

「そっか、ありがとな。」

そう言うと、旦那は月詠さんの食べかけのたい焼きをさして、食べていい?と聞いた。

月詠さんが頷くと、旦那はたい焼きにかぶりついて笑った。

月詠さんはソレを見て、しょうがないな、という風に苦笑する。

その光景は、本当に仲の良いカップルだった。


ズキン。

今度は胸が痛くなった。

あれ、ヤバイよね。これ。

さっきのドキドキといい、このズキンといい、これが何か分からないほど、僕は子供じゃない。

やっぱり・・そうなのかな。


2人はたい焼きを食べると、僕に別れを告げて歩いていった。

旦那は僕の事を怒らなかった。
なんか・・完全に安全地帯だと思われているらしい。

これが土方さんだったら、きっと今頃激怒だろう。

なんだか悔しかった。

けれど、2人の後ろ姿を見ていると、あまりにお似合いで・・
僕の入り込む余地なんて無かった。


僕はそのまま、2人の後姿を見送ると、ため息をついて、1人寂しく歩き出した。



********


本当は、ここで終わるはずだった。

僕の淡い恋は、何かが始まる前に、誰にも知られる事無く終わるはずだった。

けれど、終わらなかった。

この話は始まりに過ぎなかったのだ。








◎ハイ・・人気投票編でザキ君の可愛らしさにノックアウトされた私。

ザキ→月をちょっと想像してみたら・・こんな話を思いついてしまいました。

・・・で、続きます(爆)

基本はあくまで銀月です。

という訳で、妄想にも程がある話です。
ここでダメだ!と思った方は、続きはやめておいて下さい(^^;
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