長編2

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「!!!!」

反射的に僕は走り出した。

角を曲がると・・・。


道の真ん中に、月詠さんが倒れている。

腕の中では、子供が泣いていた。


「あの人が子供をかばって、車に・・」

通行人のざわめきを聞きながら、僕は叫んだ。

「誰か、救急車を!!」


************


とにかく彼女の連絡先が分からなかったので、僕は旦那に連絡を取った。

旦那は新八君と神楽さんを連れて、すぐに病院へやってきた。


「山崎!これは一体どうゆうこった!?」


いつにない旦那の不安な顔を見ながら、僕は事情を説明した。


「先生が言うには、多少骨折や打撲はありますが、命に支障は無い様で・・・
意識が戻れば、とりあえず一安心、らしいです。」

「そっか。すまなかったな。」

そう言うと、旦那達は病室へ入っていった。

とは言え、月詠さんの意識がまだ戻らない為、安心は出来ない。

僕も不安な気持ちを抱えたまま、帰る事も出来ず、かといって病室へ入るのもためらわれて、ただ病院の廊下に立っていた。

そのうち、若い母子がやって来た。
日輪さんという女性と、息子の晴太君が月詠さんの家族代わりらしい。

彼女たちは自己紹介を簡単に済ますと、僕に礼を言ってすぐに病室へ入っていった。


「月詠!?目が覚めたの?」

声がしたので、僕は病室のドアを開けて中をのぞいた。


「オイ、お前、大丈夫か?」

「月詠姐、僕だよ!」

「月詠さん、良かった。」

「ツッキー、痛くないアルか?」


皆の声を聞いて、月詠さんはぼんやりと横を向いた。

周りにいる人達の顔を一応に眺めた彼女の表情は何故か無表情で・・

「どうしたの?月詠。」

不安そうに日輪さんが尋ねる。

すると、月詠さんは、思いも寄らぬ返事をした。


「月詠とは・・・誰の事じゃ?

わっちは・・・ぬし等は・・誰じゃ?」



ええ?


えええええ?


もしかして・・彼女の記憶が・・・消えた?








◎ハイ、お約束です(笑)
本編では銀ちゃん記憶喪失になりましたので、こちらでは・・ツッキーに記憶喪失になって頂きます。

これとザキ君がどう関わるのかは・・次号お楽しみに♪
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