長編2

□かぐや姫 1
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女の声に、銀時が振り向く。

少女が、姐さま!と言って、その女に抱きついた。

「良かった。あの男がいたと聞いたゆえ・・心配になって探しに来た。」

「姐さま・・大丈夫だよ。あのお侍様が助けてくれたから。」


女は銀時の方を見ると、


「どなたか存じませぬが、助けてくれて感謝致します。

この娘は茜。

わっちのかむろでありんす。」

「お侍様!この人が私の姐さまだよ。綺麗でしょう。」

「わっちの名は・・・」



銀時は言葉を失っていた。


目の前に立っていたのは。



髪を結い、美しく化粧をして、華やかな着物の花魁姿の女性。


いつもの網タイツやスリット入りの着物とは違うが・・・



金色の髪。

冷たく美しい顔。



「月詠太夫でありんす。」

そう言って、女は微笑む。





何でお前、そんな格好してるの?




聞こうとして、銀時は気付いた。

一目見た時から、服装や髪型以外に、違和感を感じていた。

その訳に。



目の前に立つ月詠の顔には





傷がひとつも無かった。



→続く
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