長編2

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「・・・こんな事をして何になる。」

炎の中。

ふらつく頭を押さえながら、月詠は言った。

********

茜の入れてくれた茶を飲んだ後。なぜか意識が遠くなった。

しかし、何か周りが騒がしい・・そう思って目を覚ますと。

周りには煙が。

下に降りようと廊下へ出ようとしたら、既に一階は炎に包まれていた。

「無駄だよ、月詠。」

「ぬしは・・・」

振り向くと、そこにはストーカーをしていた男が立っている。

「僕と一緒になってくれないのなら。一緒に死のう。あの世で幸せになろう。」

「寝言を言うで無い。わっちはまだ死ぬ気はない。」

ここで自分が死ねば、日輪は、茜は、どうなる。

自分には死など許されてはいない。

生きて戦う事を日輪は教えてくれた。

ならば、自分は生きなければならない。

「どんなに言っても無駄だよ。もう、炎が回ってきている。此処で僕と一緒に死ぬんだ。」

男が笑った。

く・・・。

振り向くと、廊下に炎が広がっている。

もう逃げられないのか。

大事な人達の顔が頭に浮かぶ。

日輪・・茜・・・。


そして。


「銀時・・・」


口から名がこぼれた。
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