長編2

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何故だろう。この前会ったばかりの男なのに。

何故だろう。あの男に助けを求めてしまう。



俺に縋りやがれ。




そんな言葉、あの男から聞いた覚えはないのに。

はっきりと心に浮かんだ。



「銀時…!」



もう一度、はっきりと名を呼ぶ。

自分は此処だ。

「他の男の名前、呼ぶんじゃねぇ!」

ストーカーの男の顔が怒りに染まる。

懐から刀を取り出すと月詠に向けた。

一瞬月詠は息を飲む。

しかし、キッと男を睨むと言った。

「殺すなら殺すが良い。だが・・・」

心は、ぬしには渡せぬ。

自分の心は・・・。

男が刀を構えて向かってきた。

月詠が思わず身を守ろうとした、その時だった。




自分の横を、何かが通り過ぎた。

そして、その人物の背が目の前に立ちはだかる。

明るい銀の髪。

「ぎんとき・・・」
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