銀月(後)2

□会いたい時に貴方はいない
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それから数日。

やはり銀時からは何の連絡も無い。

表面上何事もなさそうな顔をしてはいる月詠だったが、内心はやはり穏やかではなく。

「銀様とついに別れたらしい」と百華も噂を始めた頃、銀時は新八と神楽を連れてふらりとひのやに現れた。


「晴太!久しぶりアル!!」


はしゃぐ神楽と晴太を横目に、月詠は銀時をちらりと見た。

散々人を悩ませたその男は、こちらの心とは裏腹にやけに嬉しそうな顔をしている。



「・・・なんじゃ、ぬし、今頃。」

「んな事言うなって。悪かったからさ。」



ヘラヘラ笑う男をにらむと、横から日輪が言った。

「月詠ったらねぇ。銀さんが連絡して来ないからスネてたのよ。」

「・・・!!日輪!!デマを言うで無い!!」

顔を赤くして日輪を遮る月詠の首に、銀時の腕が巻きついた。

逃げようと身をよじらせる月詠の体をガッチリホールドすると、顔を寄せて笑う。

「マジで??そうか〜悪かったなぁ。女泣かせるなんて、銀さんも罪な男だぜ。」

「だから違うと言うておろうが!!」

「いやまあ、これも放置プレイと言ってな。こののおかげでお前も愛を再確認・・・」





「キン○マつぶれてただけアル。」




銀時を遮ったのは神楽の声。

「は・・・?」

「神楽!!余計な事言うな!!!!」

慌てて神楽の口を封じようとする銀時の腕をすり抜けると、更に神楽は言った。

「銀ちゃん、女と遺産目当てに金持ちの家に婿入りしようとして、罰当たってキ○タマつぶされたアル。で、恥ずかしくてそれが治るまでツッキーに会いに来れなかっただけアル。」

「だーかーらー!!神楽、大事な所抜かすな!!俺は遺産目当てじゃなくて、結野アナの為に純粋になぁ・・・」

「でも、婿入り狙ってたのは本当ですよね。アソコ外道丸さんに治して貰ってたのも。」

「新八君!?何で君まで!!!!」

ピキッ。

「ちなみに外道丸とは、実年齢は知らないけど、見た目は私と同年代の美少女アル。ま、私には負けるけどな。」

ピキピキッ。

「毎日外道丸さんに万事屋まで来てもらって、局部に手をかざして、治して貰ってたんですよ。」

ピキピキピキッ。

「銀ちゃん、ツッキーにバレないよう、ほとぼり冷めるまで隠れてただけアル。気にする必要ないネ。」

ピキピキピキピキッ。

「黙れーーー!!!新八!!神楽!!お前ら、わざと言ってるだろ!!!」

逃げる新八と神楽を必死に追いかけていた銀時であったが、ふと殺気を感じた。





後ろを振り返ると・・・・

そこに立っているのは吉原最強の番人、死神太夫。





「貴様、二度と吉原の門をくぐるな。」

「ひぁあああああ!!!!」






「うふふ♪月詠ったらヤキモチ妬いちゃって、まるで普通の女の子みたい♪」

「いや・・普通の女の子、クナイ刺しませんって。串刺ししませんって。」

「月詠姐・・・怖い。」

「銀ちゃん、少し反省するアル。」

「とりあえず二人は放っておいてお茶でも飲みましょう♪夫婦喧嘩は犬も食わないって言うしね。」


呆れた顔で見ている子供達を奥の部屋へ通すと、日輪は嬉しそうにニッコリと笑った。





アニメ「陰陽師編」終了記念。
凶暴なヤキモチ、これもまた愛。
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