長編2

□2
4ページ/6ページ

茂みの中を突っ切ると、その先は裏山の方へ通じるらしい。

草むらが途切れた先は山の斜面に繋がり、その隅に小さな祠のような物があった。

その前に一人の老人がかがんでいる。どうやら参っているらしい。

「あんたは確か、地主さん。」

銀時が声をかけた。

寺に集まる野良猫達に餌を与えていた、地主だったはず。

「貴方は・・確か万事屋さんですよね。」

老人は言った。

その足元に寄って来たホウイチに「おや、久しぶり」と声をかける。

ホウイチは、地主と銀時を見比べてニャオ、と鳴いた。

この人に聞けって事か??銀時は地主に問いかけた。

「悪ぃけど・・この祠が何か、教えてもらえねぇか?」

「ああ、これですか?化け猫を封じた祠ですよ。」

「「「「化け猫??」」」」

思わず皆の声がハモる。

「ええ、昔の言い伝えなんですけどね。」

地主は、昔話を語りだした。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ