長編2
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茂みの中を突っ切ると、その先は裏山の方へ通じるらしい。
草むらが途切れた先は山の斜面に繋がり、その隅に小さな祠のような物があった。
その前に一人の老人がかがんでいる。どうやら参っているらしい。
「あんたは確か、地主さん。」
銀時が声をかけた。
寺に集まる野良猫達に餌を与えていた、地主だったはず。
「貴方は・・確か万事屋さんですよね。」
老人は言った。
その足元に寄って来たホウイチに「おや、久しぶり」と声をかける。
ホウイチは、地主と銀時を見比べてニャオ、と鳴いた。
この人に聞けって事か??銀時は地主に問いかけた。
「悪ぃけど・・この祠が何か、教えてもらえねぇか?」
「ああ、これですか?化け猫を封じた祠ですよ。」
「「「「化け猫??」」」」
思わず皆の声がハモる。
「ええ、昔の言い伝えなんですけどね。」
地主は、昔話を語りだした。