長編2
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「で、ワシがそのドラなんたらじゃと?」
月詠とホウイチを連れて銀時が来たのは、源外の工場。
「そんな何でも都合良く行く訳なかろうが。わしゃ、からくり作るのは得意じゃが、未来系ロボットじゃないぞ。」
「そうは言ってもさぁ。ジイサン。最初はただのからくり技師だったのにさ。そのうち超ハイテクからくりメイドロボットやら、打ち出の小槌Zやら、惚れちまいなボールやら、夢の中に入るからくりやら、作ってくれたじゃねぇか。」
「銀の字。前半は確かに俺が作ったが、後半はここの管理人の妄想じゃろうが。一緒にするでない。」
「まあまあ、そこを何とか。」
銀時が手を合わせる。
「しかしなぁ・・・」
源外が困った顔で言う。
「お前さんの頼みなら聞いてやりたい気もするが・・・猫語を通訳できるからくりなんぞ、作るのは不可能に近いぞ。」
「不可能を可能にするのが、ジイサンの仕事だろうが。」
「・・・可能は可能、じゃがな。」
「やっぱ、できるんじゃねぇか!?さっさと言え、このジイサン。」
「く・・苦しい。」
「止めなんし、銀時。」
源外の襟首をつかむ銀時を、月詠が間に入って止めた。
やっと解放されて、源外がゼーハーと息を吐いた。
「作れるには作れるが、その為の材料を手に入れるのが無茶苦茶難しいのじゃ。」
「・・・いいから、言いやがれ。」
真剣な顔に変わる銀時の顔を見て、源外はフン、と鼻で笑う。
「美人さん、アンタも幸せモンだねぇ。」
「余計な事言うな、ジジイ。」
「まあ、良いだろうが。さて、からくりに必要な材料じゃが・・・もう一度言う。むずかしいぞ。」
「さっさと言え。」
「木天夢(マタタビ)星の王族の・・・キ○タマじゃ。」
「木天夢星・・・って。まさか。」
銀時は思わず、ホウイチと顔を見合わせる。
グゥゥゥ、とホウイチが喉を鳴らした。