長編2
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右手が勢いよく振り下ろされ、銀時を吹き飛ばした。
「ニャウ!」
「月詠!!」
はずみで、銀時の腕の中にいた月詠も吹き飛ばされる。
駆け寄ろうとした銀時にまたも腕が振り下ろされ、銀時はかろうじて避けた。
「お前!月詠まで殺す気か!?大事なモンなんだろうが!!」
叫ぶ銀時に、化け猫は応えない。
その瞳が、黒く濁ったものへと変わっている。
「・・・ギン、やばいぞ、あいつの眼が変わってきた。」
「ヅラの言ってた・・・本当の化けモンになっちまうって奴か?」
化け猫の暗く光る瞳に、銀時は息を飲んだ。
『・・・全てを、俺の、手に』
化け猫の声が、吉原の街に響いた。