銀月(前)
□銀月的名作劇場〜シンデレラ〜
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ある所に、シンデレラという娘がおりました。
この娘は早くに両親を亡くし、意地悪な継母・義姉と共に暮らしておりました。
シンデレラは本当は月詠という名でしたが、いつも灰を被っているので、灰かぶりという言葉を意味するシンデレラ、と呼ばれていました。
「シンデレラ、さっさと掃除をおしっっ!」
「あら、猿飛さん、日頃の嫉妬を此処で発散させていらっしゃるの?」
「あら、お妙さん、貴方こそ出番奪われた腹いせをここでされているの?」
「・・・2人とも、今は演技中だ。」
「そうね、九ちゃん、私達は女優ですもの。という訳で、シンデレラ!サッサと食事を作りなさい!」
・・・こんな感じで毎日過ごしておりました。
そんなある日、お城で舞踏会が開かれるとのお知らせがありました。
継母と姉達は綺麗なドレスで着飾り、お城へ出かけて行きました。
しかしシンデレラは、舞踏会に着ていくドレスも無く・・・
一人留守番をしておりました。
するとそこへ、魔法使いが現れました。
「貴方も綺麗な服を着て、お城へ行きなさい♪」
「いや、わっちは別に舞踏会など・・」
「何言ってるの!?たまには綺麗なドレスを着て、ダンスして、リフレッシュなさい!」
「いや、わっちは別にリフレッシュなど・・」
「つべこべ言わずに、行くのよ!これも貴方の仕事なんだから。」
有無を言わせぬ魔法使いの迫力に押され、シンデレラは魔法で美しく変身する事にしました。
「12時になったら魔法が解けるからね〜それまでに王子様をオトして、ベッドインしちゃうのよ♪既成事実作れば、こっちの勝利よ〜」
何とも危険な事を言いながら、太陽の様な笑顔を浮かべて、魔法使いはシンデレラをお城へ送り出した。