その他
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「すいません・・あの、神楽さん、ですよね。」
私が呼び止められたのは、万事屋の近くを歩いている時だった。
どう見ても女子中学生くらいの女子が数人、私の後ろに立っていた。
「そうだけど?」
答えると、女子達が真っ赤な顔をして詰め寄って来た。
「あの、神楽さんって・・・新八さんと付き合ってるんですか?」
「はぁ?」
思いもよらぬ質問をされて、思わず唖然とする。
それとは対照的に、女子達は顔を赤くして更に詰め寄って来た。
「だって新八さんと一緒に住んでるし」
「いつも一緒に歩いてるし。」
訳のわからない事を言う。
私は思わず両手を空に向かってあげた。
「私は新八の家に居候しているだけで、同じ万事屋の従業員って関係アル。ま、給料は出てないけどな。」
そう言うと、女子はキャアア!と黄色い声をあげた。
そして、一番後ろにいた女子を、前に押し出して来た。
顔を赤くして下をうつむいていたその女子を、他の子が「早く」と言いながらつつく。
すると女子は「これを・・新八さんに・・」と手紙を差し出して来た。
「ダメガネに?何アル?不幸の手紙アルか?」
「何言ってるんですか?神楽さんも女なら分かるでしょ?ラブレターですよ!」
周りの女子達が、一斉にキャー!と叫んだ。
手紙を差し出した女子の顔が、更に赤くなる。
そのテンションの高さに唖然としながらも、何とか私は理解した。
所謂これは女友達皆で、友達の恋の応援に来たのだ、という事を。
しかし、そこで更に疑問が1つ。
何故、新八に、だ?