銀月(後)2
□寒い冬には、ラブとバブ
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「ったく、可愛くねぇ女だな。何だ?俺が悪いってか?悪いって言うのか?」
「当たり前じゃ。その空っぽの頭で良く考えろ。」
「何だとぉぉぉ!オメーみたいな岩より硬い頭してる奴に言われたくねぇぇぇぇ!」
「風船より軽い頭しとるぬしに言われたくないわ。」
「・・・二人とも、いい加減におよし。営業妨害よ。」
日輪の言葉に、銀時と月詠は思わず口をつぐんだ。
「全く・・恥ずかしいくらいラブラブかと思ったら次は大喧嘩なんて・・貴方達、本当にどうなってるの?」
「誰がラブラブじゃ!!」
「誰がラブラブだ!!」
そこで声がハモる所がラブラブなのよ、と日輪は言いたかったが馬鹿らしいのでやめる事にした。
その代わりに二人をにらむと「喧嘩なら他所でやって」と言い放つ。
「オウ、こんな所に何時までもいられっか・・・ってハックショーーーン!!!」
ズルズルズル・・鼻水を大量に出した銀時を、月詠が冷たい目線で見つめた。
「フン、馬鹿でも風邪をひくのじゃのう・・・ってゲホッゲホッ」
思わずせき込む月詠を、銀時が笑った。
「ふん、人の事偉そうに言ってる割に、風邪ひくなんて、健康管理がなってねぇんじゃねぇの?」
ズルズルズル・・鼻をかみながら銀時が言う。
「と・・とにかくさっさと・・(ゲホ)・・帰れ。」
「(ズルズル)・・・おう、帰るわ!!」
もう二度と来るな、おう、来ないわ、売り言葉に買い言葉で大喧嘩する二人を、やれやれ、と日輪が見つめていた。