銀月(後)1

□メガネ男子は・・お好きですか?2
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「・・またその格好か?」

茶屋「ひのや」で待っていた月詠の前に現れたのは、先日見た「坂田弁護士」の格好をした銀時であった。


「いいじゃん、前回これ、お気に入りだったじゃねぇか。」

銀時がクールに笑う。

確かに・・その格好の銀時はいつもと違うので、見ていてどうも落ち着かない。

そのせいで前回は酷い目に会う寸前だった為、月詠は思わず身構えた。


「何を言う。珍しい格好をしていたからちょっとビックリしただけじゃ。二度目となったら大した事ないわ。」

内心、ちょっとドキドキしているのを隠しながらそっぽを向いた。

「ふーん、じゃ、ゆっくりそれについて検証しないとねぇ〜」

そう言って銀時が迫ってくるので、月詠は慌てて言った。


「ちょっと待て、銀時。今日は日輪の代理で客人と会わねばならんのだ。」

「何だよ。それ。今日はオフだろーが。」

「すまぬな、日輪が急用でな。」

「で、誰だよ、客人って・・・」


「すいません、日輪さん、いらっしゃいますか?」

男の声がしたので振り向くと、茶屋の入口に1人の男性が立っていた。

「すまぬ。日輪は急用で出かけておる。代わりにわっちが話を聞く事になった。
月詠と申す。」


「そうですか、月詠さん。宜しくお願いします。僕は水嶋ヒロシと言います。」


「うげっ」

小さく銀時が呟いた。



なぜなら、そう言って微笑んだ男の顔は・・

センスの良い高級スーツに身を包み、細身のメガネをかけた、それはそれは、イケメンであったのだ。


「銀時、ちょっと仕事の話があるのでな。30分ほど席を外してくれ。」

「ちょっと待てー!男と2人っきりで話なんて、俺は許可しねぇぞ。」

「月詠さん、この方は・・?」

「ああ、気になさらぬよう。銀時、仕事の話じゃと言うておろうが。
茶屋の店先で話だけだから、何もないわ。」

そう言うと、月詠は銀時を茶屋から叩き出した。

くそーーーーー月詠の奴・・・。

茶屋の近くの店陰に隠れ、銀時が2人を睨んでいると、近所の遊女が声をかけてきた。

「銀様。あの人誰ですか?目茶目茶カッコイイ♪」

「銀様。月詠様と2人っきりにしていいんですか〜?あんなイケメン、吉原でも滅多に見ないですよ。」

「いやーん、私もお話に加わりたいです」

うるせー。邪魔できるもんなら、俺が邪魔しにいくっつーの!


後ろで女どもがキャーキャー騒ぐのを聞きながら、銀時は1人、悶々としていた。


30分後・・・


水嶋ヒロシが茶屋を去ると、銀時は速攻、月詠を茶屋奥の部屋に連れ込んだ。
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