ポエム

□償いの懺悔
1ページ/2ページ

《不幸だけを願いました。
不幸になれば、彼女は喜びました。
全てをあなたにぶつけたのです。
彼女の願いは結果だけ見ると果たされました。
思う以上の報いが待っていたのです。
でも彼女は、こんなのを望んでいたのでしょうか?
とにかく嫌いだったのです。
ただ…なんとなくで。軽はずみな言葉が。念が。
叶ってしまいました。最悪な形で……。
あなたの大切な人を奪う形で。
彼女の願いは果たされました。
これが、彼女の望んだ不幸、なのでしょうか?》


粉砕 抹消 誹謗中傷
あらゆる負の感情を投下してみました

少しはスッキリしたのですが…
でも それは…
悲劇の幕開けに過ぎなかったのです

戻れるのなら 戻りたい
切に願います
そして 一言 云いたい
「ごめんなさい」、と。
そんなもの 綺麗ごとでしかないとわかってはいます
だけど 言わせてほしい欲しい…
「あの人」はもう、いないから

その裏腹に出た言葉は…

「ざまあみろ」
開口一番 そんな そんな
あまりにも酷すぎる言葉
そう 非道過ぎました

そして 運命のいたずらか
狙った標的は外れて
思わぬ的へと軌道を変えたのでした

たぶん 「あなた」を護ったのでしょう
皮肉に事に あなたは護られた

それは 「嬉しい」事のはず
なのにそれは 「悲しい」事…
あなたは当然かもしれない
だけど 私は あなた以上に悲しんだ

これで あなたをどん底の淵へと落とせたはず――でした
けど、落とされたのは…私です。

あの時 願った想いが
こんな形で果たされるとは。

私は ただなんとなく 思っただけ

「不幸」を望んだ。あなたの不幸を。
もちろん 軽はずみな行動
結果的に あなたを不幸にできました
だけど、返って来たのは…
一生の、後悔でした


懺悔します。

私は あなたが 苦手でした。
私は あなたを 傷つけました。
私は あなたを 悲しませました。
もう、ご存知でしょう。
あなたの大切な人を奪ったのは
この、私。 私が、殺めたのです。

呪ったのは ただ1人。
1人だけでよかった。
あなただけでよかった。



《こうして、悲劇は拡散していきました。
1人の「増悪」により、色んな人の幸福を歪め、
色んな人が「悲しみ」という「傷」を背負う事になったのです。》



「償わせて欲しい」
そんな言葉がでるほどの。
後悔なんて言葉では言い表せないほどの。
「一生の、痕跡」が残されたのでした。



《彼女の願いは何だったのでしょう?
今となってはわかりません。
だけど、彼女はこんな結末を望んではいなと言う事だけはわかりましたよね?
心の片隅にだけでも覚えててあげてください。》

次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ