ポエム

□痛み、傷みの、悼み分け
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甘く呼びかけるのは最愛の人の名
輝く姿をこの目に映すことは二度とない
曇らせたのは弱さ故(ゆえ)

喜びや悲しみ、苦しみ
その全てはもう、思い出の中へと消えた

そういえば ちっとも嬉しそうではなかったな
痛みを 知れた気がして
少しは 救えた気がして
和らげた気にもなってた
亡骸をずっと抱いて――。
あなたはあの悼みからまだ抜け出せないでいる


暗いあなたを見つめるのは
もう俺には耐えられそうにない
お節介で押された背中は
誰も幸(さち)を得ない
仄(ほの)暗い影が落とされ、
傷口を広げただけだ
二人の溝も深く、深く…。
浅くなることはないのです

良心はつぶやきました
「傷つけたくなどなかった」
弱さで簡単に引き金は引かれ、
命が飛んだ。一つの命が。
悲劇の終わりの始まり。
どこかで今も悲鳴をあげてるのかな

誤魔化し通そう
真実が誰しも幸せにするとは限らないからです
聞かなければ笑えたね? お互い。
話してしまえばもうあなたの前では
誤魔化すことはできそうにないし
これ以上 涙を与える必要がどこにある?
これは、贖(あがな)いかもしれないし、
臆病なだけかもしれないね

一方的に楽になろうとした俺は
痛みと言う代償を得る事になる

この傷みは俺の痛みではなく、あなたたちの悼み

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