ポエム

□沈む太陽に月光を
1ページ/1ページ

悲しみに暮れて昇れなくなってしまった太陽
入れ替わるように 月が顔を出す

ポカポカ陽気にはほど遠い存在
輝きに満たすほどの力はないし
闇を晴らすほどの光もないけど
これで十分 君だけを照らしたいんです

涙がこぼれそうな夜は 空を見上げてみよう
うっすらとだけど 射しているでしょ 月明り
励みに変える星々も観えるといいね
気まぐれに引っ込んでしまう月
そんな時は呼んで


君の悲しみを俺にください
真っ暗闇に沈みゆく太陽を
空の元へ帰したいんです
そしたら昇る朝日が見れるかな

君の涙を俺にください
雫で浄化させたいんです
そしたら雲間から陽が差し込み
涙の虹が出来上がる

そんなふうに たくさんくれた喜び
側に居てくれたこと 覚えてる
夜(よ)が明ければ 必ず昇る朝日
当然だと思って 気付くのが遅れたんだ
灼熱(しゃくねつ)で胸を焦がすほど 懸命(けんめい)だったのでしょう


無理はしなくていい
誰かに合わせなくてもいい
一度 立ち止まって 辺りを確かめてみよう
君に激励(げきれい)を贈る人はちゃんといる
だから 作り笑いは止めて
その分たくさん泣こう

ねえ 少し開けて 心まで閉ざさないで
明かりが入らない
気休めだとわかってる
ほのかな光で包みたいんだ

傷を治すことは出来ないけど
今 出来た痛みならば 癒すことは出来ます
思い出してください
俺を照らしてくれていた優しい光を
さあ 手を伸ばして
大好きな君を取り戻しに行こう


今宵は満月ですね
「月がきれいです」
それは 君に向けた愛情で
俺はここにいる と伝えたメッセージ
悲しみを拭うように 闇に落ちる背中をそっと撫でた
陰りが瞬(またた)きますように




次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ