ポエム

□森羅万象の情景
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いつまで繰り返されるの?
水面下でにらみ合い
一触即発 膠着(こうちゃく)状態
やがては誰かの心に 鋭い破片 突き刺さり
大地に劫火(ごうか)が投下され
尽(ことごと)く燃え盛る火の渦中
命は空へと昇華する
空から飛び立ったのは ミサイルだと言うのに
なぜ命まで空へと
飛び立たなければならぬのだ
これが真理とでも説くつもりかい?

空をキレイと呼ぶのは
陰りがあるからで
だから 憬れるのではないのか
そんな憧れの空に
何が『飛んでいる』のか
世界の最後にようやく解り合い
悲願の涙に暮れるつもりかい?
ならば僕は この澄み渡る空に
いつまでも白旗(心理)を掲げ
降伏(幸福)を示し続けよう

いつになったら終わるの?
そろそろ 気付いて
森羅万象(せかい)が 疲れ果ててきていることに
ステンドグラスが教会にあることも
そのグラスの破片で
心を殺(そ)いでる様なものなのに
なんで気付いてくれないのさ
何の為の祈りなのか
こんなものの為の教会じゃない

なぜ今頃 よりによって
この情景が胸に広がる…?
迷いを晴らす司祭
華燭(かしょく)の典・婚礼の義
『病める時も、健やかなる時も
死が二人を別つまで
愛し続けると誓いますか?』
『はい』と 心を一つにし
口付けを交し合い誓う

死者をほうむる葬儀
冷たくなった肌に触れ
確かめ合うことが出来る
過ぎ去りし思い出との時間を手繰り寄せ
現世と黄泉(よみ)を結び合わせ
生と死との対話を読み取る

誰にでもある誕生祭
年齢を確かめる為だけの祝いじゃない
『生れてきてくれてありがとう』
誕生したことを祝す義
年齢なんて二の次だ
あなたが生れてきてくれた事を祝福しての感謝祭
だからこその
『誕生日、おめでとう』

一度は解り合えたはず
本当は何度も解り合えてるんだ
目に見えないものにまで
触れ合えていたはずなのに
その為の祈りだったのに…
その情景を目の当りにした人は たくさんいるのに
どうして『いいえ』と
また 心は背き合ってしまうのか

嗚呼…そうか そうだ
都合の良い祈りなんて届かなくて当然だ
僕らは忘れてしまってるから

きっと心がもろいのは
この世界がキレイすぎたせいだ…
憧れが心に反映してるんだと思う
僕たちには荷が重すぎたのかもね
もしかしたら どこかをかけ違えたのかも
皮肉過ぎで笑えてこないか

嗚呼…やっと解った
僕らが尊い理由
命とか難しく考えすぎていた

切に願おう
見た目の美しさに惑わされずに
森羅万象(せかい)に込められた情景(ねがい)を
どうか その目に焼付けて

そして
『生きているだけで尊い』のだと
だから
『素直(ありのまま)のあなたでいい』のだと
『素直(そのまま)のあなたが美しい』のだと
気付いて

生は尊(たっと)く波瀾万丈(はらんばんじょう)
死よりも尊く百花繚乱(ひゃっかりょうらん)に
どんな時でも 生は風光明媚(ふうこうめいび)に
尊くあるべきなのだ


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