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□大変な子守り
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動けないんだけど。不機嫌な声で、そう呟いた。
右には露草、左には萱草。いつもの光景ではない、二人のサイズがおかしいのだ。
それには鴇時も気付いており、紺は呆れ銀朱は目を輝かせている。
不満そうな表情をしているのは梵天だけだった。

 「…何が起こったんだい、これは」
 「さぁ?」
 「可愛いですね〜♪ひゃ〜♪」
 「今、俺はあんたがいる事に疑問を持ったよ」
 「ぎゃー!はなせー!」
 「……」

頭も子供のようになっているらしく、小さな露草は抱きついてきた銀朱を必死に離そうとしている。
萱草はただ無言で、離されるのを待っていた。
梵天はその隙に離れたが、萱草が服の裾を掴んでいた為あまり動けなかった。

 「萱草?」
 「俺は、お前の事が好きだ」
 「!?」
 「あ!ひわはおれのだ!おまえなんかにわたさない!」

銀朱の腕から抜け出すと、梵天の足に勢いよくしがみ付く。
ぶつかられたような衝撃が来たが、小さいのでそこまで痛みもない。
お前のものじゃないと思いながら萱草を抱え上げる、その行動に露草は口を開く。

 「ひわ!なんでそいつをかかえるんだ!」
 「俺は無知で貧弱な奴は嫌いだと言わなかったか?」
 「なっ!」

無知という事は否定できなかったが、貧弱じゃないと反論する。
一つだけは否定しないんだ、面白そうに笑った梵天の顔を綺麗だと怒りながら思ってしまった。
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