短編集
□引き篭もりのぐうたら姫
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今の季節は6月ー丁度梅雨どきです。
雨のしとしとと降る音が心地よくきこえてくる、そんな中、ベッドで寝転がっている少女が1人おりました。
少女は城に住んでいたお姫様でした。
しかし、継母に城を追い出され住むところを失ってしまいます。
そんな彼女に優しく手を差し伸べてくれたのは6人の小人でした。
だから、今は小人の家に居候中なのですが問題がひとつありました。
小人たちは知らなかったのです。
白く透き通る肌とぱっちりした可愛らしい風貌に隠された彼女の性格をー・・・。
「掃除が出来ないからどいてよー」
「んっ〜〜〜〜〜、眠いから嫌ぁ・・・・・。」
ごろごろとベッドの上で転がりながら姫は答えました。
「眠いって、もうこの状態で5時間近く寝てるじゃないか!」
「まだ5時間しか経ってない」
そう言うと、ガバッと布団を顔までかぶりベッドから動こうとはしませんでした。
その行動に小人は溜息を一つ漏らしました。
すると、後ろから他の小人が3人出てきました。
「相変わらずだな、お嬢は」
「何言っても無駄だな」
「そうだよーー」
小人3人は口々に言いました。
それもそのはず。
彼女は、めんどくさがり屋でベッドから動こうとしない、引き篭もりのぐうたら姫なのですから。
これは、そんな変わり者の姫が主役のでたらめな物語。