短編集

□Happy bithday
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今日は8月10日。

窓の外には穏やかな凪の海のような青空が広がっている。

そんな快晴の日にふさわしい爽やかな笑みを浮かべた青年が一人廊下を歩いている。

青年の名はーラビ。

ブックマンの継承者であり、黒の教団のエクソシストでもある。

「暇さ〜」

ラビは辺りを見渡した。

(いつもより団員の数が少ないさ…。なんでさ?)


* * * * * * * * *


「何してるんですか!?」

食堂にアレンの声が響く。

アレンは溜息をつくと、仏頂面をした神田を見た。

長い黒髪をいつものように後ろで一つに結わえ、腰には六幻をさしている。

そこまではいつもと同じだが、神田は団服を羽織ってないシンプルな服にエプロンを身につけていた。

アレンも同様でエプロンをしている。

この有様は一体なんなのか・・・。

それを教えてくれるものは誰も居ない。

いつ、このふたりーアレンと神田が喧嘩をするのかハラハラと見守っているのだから。

「どうして神田となんだろう……」

アレンが小声で愚痴ったが、神田には聞こえてなかったみたいで、ケーキに緑色のクリームをデコレーションしている最中だった。

その姿はいつもの神田と全く違い、周りに居る人達は興味津々に見ている。

そして、刻々と時は過ぎていき、アレンと神田がふたりで仲良く(?)作ったケーキが完成した。

だが、ふたりが完成させたケーキはあまりにも不気味で、誰一人褒め称えるものは居なかった。
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