短編集

□引き篭もりのぐうたら姫
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ザァァァァァァ

雨が激しく振り続く音が聴こえてくる。

「きれいな音・・・・」

梅雨が大好きで、雨音をきく行動は日課となっていた。

姫様曰く、梅雨の時はどこにもいかずにのんびりできるから好きらしいのだが・・・

いつも引き篭もっている彼女には関係ないように思われる。

まぁ、そんなこんなで(適当すぎだろ

いつもと変わらず、ベッドでうだうだしていた姫の元に、突然黒小人が現れた。

「お嬢、これ見てくれよ!」

彼は姫のことを“お嬢”と呼ぶ変わり者。

といっても、姫様ほどではないけど。

「なーに?」

顔だけ黒小人に向けて返事をすると、その手に赤くて丸いものがあるのに気が付いた。

「これ何だと思う?」

「林檎」

姫は迷わずに即答する。

しかし、その言葉を聞いて黒小人は嬉しそうに笑った。

「お嬢、これはトマトだ」

「・・・・・・・・ぇ?」

姫はまじまじとトマト疑惑がかけられた林檎を見つめる。

しかし、これはどこから見ても林檎でトマトでは無いのが一目瞭然。

そんな姫の心のうちに気付いてか黒小人は説明を始めようとした。

「これはな・・・「ストップぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!

突然他の声が乱入してくる。

あまりの騒音に2人は顔をしかめた。
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