壱
「きょーうじゅ!」
「…なんだ」
「やっだなーもーそんな顔しないで!はい口を横に広げてー」
「やめろ馬鹿者」
「はいっ学級文庫っ!」
「そんな古典的な手にのるか」
「いいからセイ!がっ・きゅ・う・う・ん・こ!あっ間違えちった」
「低能な人間はこれだから困る。我輩は忙しいのだ」
「ちょっと教授ー」
「知らん。貴様のような人種と知り合いだった覚えもない」
「あー知らないんだー。いいもんね、この間くすねた真実薬で隅々までポロリさせてやるんだから!」
「やはり貴様か、我輩の貴重な真実薬を盗んだのは」
「知ってて無視したんですか?」
「関わりあいになりたくなかったものでな」
「酷い!私はこんなに教授を愛してるのに!」
「…」
「教授?」
「…ああ、一瞬理解不能言語が聞こえたような気がしたが気のせいか」
「人の愛の告白にも動じないなんて鬼!悪魔!外道!でも好き!」
「くだらんやり取りにこれ以上時間を使う気はない。今すぐ失せろ」
「解りましたよー、じゃあまた十分後に来ますから!」
「絶対に来るな」
「では教授、また後で!」
「フン、人の話を聞かぬ五月蠅い小蠅め」
(こちらから触れようとすると、いつも先手を取られる)