コ哀短編1
□あなたは覚えていてくれた
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「今日でもう1年なのね…。」
1年前の今日は私があの人の家の前で倒れていたのよね。
それを博士が発見してかくまってくれて。
この1年でずいぶん環境が変わった。
以前は闇の中、今は少しまぶしいけれど少しづつ光りの中へ入っていってる。
最初光の中へ入ったらみんなにどれだけの危険がかかるか分かっていて入ろうとしなかった。
けれどあの人は…私を誘ってくれた、あの世界へ。
「さ、そろそろ朝ごはんを作らなくちゃ」
いつもなら隣で博士の大鼾が聞こえるはずなのに今日は何も聞こえない。
ベッドに手をあててみてもぬくもりがない。
ただいまの時刻朝7:00。
今日は休日、予定も入っていないので朝寝坊をしてるはず。
「「どっかーン!!!」」
「ちょっと!こんな朝っぱらから何なのよもう!」
爆発音はいつものことながら急になるとやっぱり驚く。
爆発音がしたところに行ってみるとあちこちに焼け焦げができた白衣を着ている53歳の人物が床に座り込んでいる。
「もう、今度は一体何開発していたの?」
(博士ってもしかして開発中に何か起きててっぺんはげになったんじゃないかしら…)
「いや、完成してからのお楽しみじゃ♪」
「♪じゃないわよ。開発していたものが何かはしらないけれど跡形もないじゃない。」
「え……あ゛〜〜〜」
「さぁ立って。朝ごはん作るからそれまでに着替えてよ。」
「あぁ…朝ごはんを食べてから作り直すとするかのぉ。」