物語

□蜂蜜色の恋
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「お前は男の子として生きるんだ」





そう告げられたのは二歳の時





人より頭がよく、同じ年の子とは違い大人の言っていることが理解できた。
そして何故そんな事を言われるのかも…




世話をしてくれた火影のじぃちゃん。
火影室の隣に『俺』の部屋を作ってくれた。
仕事の合間にちょくちょく顔を見るために。


赤ん坊をほったらかしにするわけにもいかないし世話役をつけるにも里が不安定なため人手を取られる訳にもいかなかった。
そう聞いたけど多分違うと思う。




『器』になった自分を案じてだと思う。



捌け口にならない為に…




大人は『俺』が『器』だと知っているから




肉親を殺した『狐』を恨まないはずはないから



一年や二年で大切な人を失った悲しみが消えるはずないから


性的暴行を防ぐためだと思う




じいちゃんからは男として生きる術を教わった。




抵抗するための力もつけてもらった。








そしていつまでもじぃちゃんの仕事の邪魔をするわけにはいかないから『俺』は五歳で独り暮らしを始めた。




一話終了
 

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