物語
□蜂蜜色の恋
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『最近いい気になってる』
『奈良家の跡取りと仲良くしている』
『もしかしたら『狐』を見張っているのかも・・・』
『じゃなきゃ、奈良家のご子息は頭がおかしいんだ』
いつものようにアカデミーから帰ってくると、コソコソと大人達が話しているのを耳にした。
ショックだった。
自分が悪く言われていたからではない。
シカマルのことを言われているのが悲しかった。
少し考えればわかることだったのに。
シカマルが見ていてくれるから
会いに来てくれるから
安心していた
自惚れていた
『俺』は何を勘違いしていたのだろう。
見ていたのは『器』で何か仕出かさないか見張っていたのかもしれない。
会いに来ていたのではなく、ただ偶然きてしまったのか『俺』の周りには誰も寄ってこなくて静かだったからそれを利用していたのかもしれない。
『俺』はそれに気がつかず甘えていた。
どうして気がつかなかったのだろう。
どうして思い浮かばなかったのだろう。
こんなに『私』の中で大きくなってたなんて・・・
『俺』ってば
本当に馬鹿だってばよ
第6話終了