物語
□蜂蜜色の恋
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「初めまして。影月と申します」
びっくりした。
それはもう言葉が出なくなるほどに。
じいちゃんに『護衛』の話を聞いた次の日の朝、影月さんは来た。
朝寝ていると視線を感じて目を開けるとベッドの横に座り込み思いっきり顔を見られていた。
気配には敏感なはずなのに部屋に入ってきたのすらわからなかった。
というか、その前に『護衛』の暗部が部屋に入ってきたことなんてなかったから油断していたのかもしれない。
「・・・ナルトさん?大丈夫ですか?」
「えっ?あっ!大丈夫だってばよ!少しびっくりしただけだってば」
まったく動かなかった『俺』を不審に思ったのか仮面越しに見つめ返してくる影月さん。
「今日のアカデミーは確かお昼からでしたよね?朝ご飯を用意してあるので食べてきてください。私はその間に布団を干しておきますので」
「・・・え?は?」
抱き起こされさっさと布団を持って干しに行ってしまったので、とりあえず朝食の置いてある机へと向かった。
バターロール、ミルク、スクランブルエッグにウインナーにサラダ。さらにスープ付きという豪華な朝食。
「あ、毒なんて入ってないですよぉ。なんなら毒見しましょうか?」
こんな豪華な朝食を初めて見たから驚いていただけなんだけど・・・
「大丈夫だってばよ!そんな事思ってもないし」
毒が入っていたらいくら無味無臭でもわかる。
『狐』の影響でそういうのには敏感になったし何度も助けられていたから。
とりあえず椅子に座って横目で影月さんを盗み見ると布団カバーを外し洗濯機をまわしたり部屋を片付けたりと家事をこなしていた。
・・・・・・じいちゃん『護衛』って言ってなかった?
これじゃあ『世話役』じゃない?
仮面をしたまま家事をこなしているのでかなり違和感がある。
それにしても何で影月さんはこんな事しているんだろう・・・
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