物語

□蜂蜜色の恋
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『利用できるものは利用した方が利口だ』



だから我も利用しろと『狐』に言われた。





以前より傷の治りが早くなった。
目を閉じていても辺りの様子が手に取るようにわかるようになった。
チャクラの量も格段に上がった。



一応じぃちゃんにこのことを報告すると



「・・・・そうか・・」



とだけ言って頭を撫でてくれた。


じぃちゃんのことは私が守るからと告げると嬉しそうに笑ってくれた。



最初いらないといった『狐』の力がこんなに役に立つとは思わなかった。



じぃちゃんの所から帰る途中、ある気配に気が付いた。

『狐』の力を手に入れるまでは気が付かなかった気配。



「・・・・・・影月さん・・・?」
「っ!!?」


息を呑んだ音が聞こえた。
気が付かないと思っていたのだろうか。


でもあぁ、この気配が影月さんのなのかと理解した。

嫌な気配ではなかった。



「今日はまっすぐ帰るね」


振り返らず言うとそのまま家へと足を進めた。
ゆっくりだが影月さんも着いてくるのがわかった。
特に用事もないし



あまり出歩きたくなかった。


『狐』の記憶を見てから里の人がもっと嫌いになった。
なるべく視界にも入れたくない。


『狐』と手を組んだことになるのだろうか


もしこのことを知られたらどうなるのだろう




里の人達は?



アカデミーの人達は?




・・・影月さんは?




・・・シカマルは・・・?




じぃちゃんには黙っているように言われた。
このことを知られたらまた危害を加えられるかもしれないから



力を使いこなせるまで傍にいてくれると言ってくれたけど
急にじぃちゃんの所に住み始めると怪しむ大人がいるかもしれないから断った。





本当は傍にいてほしい。





1人になるのが怖い。





でも頑張るから






『力』に見合う心を手に入れたいから






だから





見守ってて





第15話終了

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