・・現代パロ・・
□■友達になってくれませんか■
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なんか変だ……。
嫌、かなり…変だ……。
いやいや…全てが、変だ。
だってさ。
ヤバくね?
コレ………。
−−俺は今、どんな顔しているのだろうか。
大勢の客で賑わう店内。
新しくオープンしたばかりだという店は大盛況だ。
しかも、飲み屋だという事もあり、おっさんだらけの店内は騒がしいし、狭い。
バレンタインデーに男だらけの飲み屋に居る時点でそんなものとは無縁だと言う事を現している。
嫌、会社や家族からもらえるおっさん達の方がまだいいのかもしれない。
でも、そんな事はどうでもいい。
今、俺は自分でも信じられない位に。
テンションがあがってる。
バイト先のコンビニから歩いて5分もしない場所に新しく出来たという焼鳥屋。
長谷川さんに聞いたばかりだったからか、頭にはこの店しか浮かばなかった。
というか、考える余裕が無かった。
だって、こいつと一緒だから。
満席の店内の奥のカウンターに座る銀時。
隣にはおしぼりで手を拭きながらメニューを眺めている連れ。
11時男と一緒なのだ。
−−なんか、凄くねーかコレ。
「俺と飯、食いに行きませんか!?」
なんか無我夢中な感じで誘った。
それに応じてくれたこいつ。
今更だけど、なんで来てくれたのだろう。
今更だけど、なんで誘ったりしたんだろう。
冷静に考えればおかしくねーか?
だって、ただのコンビニの店員と客が二人で飯って…。
しかも、前から打ち解けてたとかならわかるが、会話交わしたのさえ初めてだったのに。
−−俺……ナンパした……?
−−違う!違う!!野郎相手にナンパとか無いから!!
−−なんかあれだったからこうなったし……。
「……なぁ。」
「えっ!?」
一人自分の中で葛藤していた銀時は不意に声をかけられて過剰な反応を見せる。
壁に肩がぶつかる位に驚いた。
銀時の反応を見た連れは、一瞬驚いた後、苦笑いを浮かべた。
「あんた何にするの?とりあえずビールでいい?」
「え!?あ、ハイ!ビールで構わなくは無いですけど!?」
頭が若干パニックになっている銀時は、男の問いに意味不明な言葉で返事をする。
それを見て、男はまた困ったように笑った。
「あんた本当に変な奴だな。」
その笑顔に、銀時の頭は更に真っ白になってしまった。