・・短編弐・・

□◆無題◆
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知ってるよ。


俺はちゃんと、知ってるから。


だから思うように生きればいい。



それでいいんじゃないか?


そんな事が、いいんじゃないか?



例えば、どうにもならない罠に嵌まって身動きが取れなくなっても。


自分を待っててくれる存在が居るんだって知っていれば、少しは救われるだろ?


例えば、どうにも出来ない罪を抱えて苦しく悩んでいる時も。


自分を心配してくれる存在が居るんだって知っていれば、少しは救われるだろ?


例えば、どうにもならない失敗をして嘆き悲しんでいる時も。


自分を慰めてくれる存在が居るんだって知っていれば、少しは救われるだろ?



大丈夫。


ちゃんと見てるよ。


ちゃんと知ってるよ。


お前が頑張っている事。


俺は知ってるよ。



だから安心して。

自信持って。

好きなようにやれよ。



例えば、怪我を負って自分を情けなく思う事があるなら。


お前が思うよりもっと俺が情けないと言ってやるから。


そうしたらお前はきっと、本気で怒って言い返してくるだろ?


そして、そんな事考えるのはさっさとやめちゃえばいいさ。



例えば、ミスをして自分を不甲斐なく思う事があるなら。


お前が思うよりもっと俺がお前の責任だと責め立ててやるから。


そしたらお前はきっと、本気で怒って殴りかかってくるだろう?


そして、そんな事振り返るのはさっさとやめにしちゃえばいいさ。



例えば、挫折して自分を見失うような事があるなら。


お前が思うよりもっと俺がお前なんてちっぽけだと笑ってやるから。


そしたらお前はきっと、同じように笑うんだろ?



そして、どうにかなりたい位に何も考えたく無いのなら。



俺が狂う程に抱いてやる。



もう、他の何も考えられないように。


もう、他の何も見ないですむように。



強く、抱き締めてやるから。



お前には俺が居るんだって。



ちゃんと知ってろ。




大丈夫。


ちゃんと見てるよ。


ちゃんと知ってるよ。


お前が頑張っている事。


俺は知ってるよ。



だから安心して。

自信持って。

好きなようにやれよ。



そんなお前が好きだから。


自分を信じて、生きろ。




お前には、俺が居るよ。





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