・・現代パロ・・
□■友達になってくれませんか■
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酒に逃げよう。
それが一番いい。
「敬語やめようぜ。今は店員と客じゃねぇんだし。」
微笑みながらそう言われると、黙って頷くしかなかった。
−−ヤバイ。まともに話せねぇ……。
酒に逃げよう。
そうすればもっと気楽に話せるハズだ。
銀時は強くも無い酒をハイペースで飲んでいく。
旨い、まずいなどどうでもよかった。
ただ、この意味不明な状態に混乱する頭からなんとか抜けだしたかった。
でなければ、自分でも理解しえない衝動と感情がふつふつと涌いてきて。
−−なんか……ヤバくね……?
−−俺……ヤバくねーか……?
目の前の男を見つめる視線が深い意味を持ってしまうような気がしてならなかった。
酒に逃げよう。
酒に逃げるしか無い。
脳みその思考力を奪う為に飲み進めた結果、銀時は自分の望み通り完全に酔っ払った。
嫌、予想以上に……。
「あんたさぁサラリーマン?いつも同じ時間じゃん?ウチのコンビニ来んの。」
飲み始まってまだ30分も経っていないのに完全に出来上がってしまった銀時は、銀時のあまりのハイペースに呆気にとられ、まったく酔えていない土方の肩に手を置き真っ赤な顔で聞いた。
完全にタメ口でかなりフレンドリーだ。
土方はそんな銀時を見て困ったように笑っている。
−−変な奴だな……。
クスリと心の中で笑う。
いつもやる気の無いだらけた雰囲気だった店員。
ただ、頭はいいらしく余計なものは自然に排除していく奴だった。
何度もコンビニで見かけていくうちに、ただのだらけた若者というわけでは無い事にも気付いた。
そんな折に、何故かいきなり接点が増えた。
あんなに他人に興味が無さそうな奴だったのに。
いつの間にかコイツのペースにハマッてしまった。
−−変な奴。
−−でも、不思議と居心地は悪く無い。
「まぁサラリーマンって言えばそうかもな。」
優しく笑いながらビールを口に運ぶ。
何故こんな所でこんな奴と飲みになど来ているのだろうか。
まったくわからない。
普段の自分なら考えられない。
でも、嫌じゃない。
あのから、毎日。
壊れた玩具のように。
ずっと同じ事を繰り返していたから。