・・短編・・
□◆甘い物には毒がある◆
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何かにあたったか?
銀時は今日食べた物を思い返していた。
朝、バナナと生クリーム
昼、チョコレートパフェと抹茶シェイク。
間食、苺ポッキーとバニラアイス
「別に変なの喰ってねぇよな…」
銀時の中では果物は甘い物の摂取には入らない。
普通に考えれば気持ち悪くなるような甘い物づくしの取り合わせの悪い食事?なのだが。
ふらふらと道を歩きながらぼんやり薬屋まで歩を進める。
行き交う人々も視界に入っては消えてゆく。
意識が朦朧としていた。
「旦那、どうしたんでィ。」
虚ろな目で歩いている銀時を見付けて、巡回中の沖田が声をかける。
いつも目は死んでいる銀時だが、今日はあまりにも魂抜けかけの顔をしているので気になって声をかけたようだ。
「あ?おぉ、よぅ。いい天気だなぁ。」
「くもりですぜィ。頭でもイカレちまったんですかィ。」
どんよりとしたくもり空を見るわけでも無く、銀時は沖田に返事をした。
沖田は銀時の姿を見て自分の胸ポケットからごそごそと何かを取り出した。
「薬が必要なんじゃねぇいのかィ。これあげまさァ。」
こちらにずいっと差し出している沖田が手にしているのは小さい袋に入った白い粉のような薬。
銀時はそれを見て眉をしかめる。
「お前、なんだその薬。姿形からして怪しいぞ。てか、お前から貰う薬ってだけで100%いかがわしい。」
「旦那ヤクが切れたんじゃあねぇのかィ?やりますぜィ上物だ。今、アホの売人からしょっぴいて来たんでさァ。」
沖田の持っている袋は確実にドラッグだと確定された。
真顔で言う沖田をうんざりしたような顔で銀時は見る。
「テメェ!何こんなもん堂々と晒してんだ!!」
すると、沖田の後ろから勢いよく、ヤクの袋を奪い取る土方の姿が現れた。
怒りで瞳孔が開き気味だ。
「土方さん、万事屋の旦那ヤク中なんでさァ。ヤクやらねぇと発狂しちまいますぜィ。」
「ちょっとまて、誰がヤク中だコラ。」
さらっと言い放つ沖田にツッコミを入れる。
が、胃の痛みが邪魔をしてあまり強くは言えない。
てか、もうどいてくれ。
いつもより暗い雰囲気の銀時を土方が見つめる。