光は枯れた

□タカユリ街
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「お嬢様…」
『あら?どうしたの?』
女は小麦色の髪を揺らして、黒いスーツ姿の男に問う。
「ミルラ様がどうやら助手を雇ったそうです」
『は?あの子が…?』
「はい。確かな情報です。それも…」
男は女に近づくと耳元で小さく言った。
「珍しいハーフの子だそうで…」
その言葉に女の眉が微かに動く。
『ハーフ…?何の?』
「それを今調査中です」
すると女は足を組み替えた。
『ん〜…まず、あの子が人を雇うなんて有り得ないわ。それも…ん?まさか…男?』
「はい」
ため息をしながら女は首を振る。
『…ますます有り得ないわ…。あの子は大の男嫌いよ』
「え?」
『ん?どうしたの?』
「いえ…とても男嫌いには見えないお方だったので…」
『へ?あの子すっごいわかりやすいじゃない?』
「…はぁ、そうでしょうか?」
するとドアをノックする音が軽く響いた。
『入りなさい』
直ぐさま返事を返すとそこから白髪の凛々しい執事が出てきた。
「今回の計画で考えておりますタカユリ街へは、明日を予定しておりますが…」
『大丈夫ですよ。準備は出来ています』
すると白髪の執事は頭をぺこりと下げるとすぐ部屋をでていった。
『ノーズ!』
「はい」
『ミルラになんかすぐ追いついてやりましょ!』
「ナミカ様なら大丈夫です」
そういうとナミカはノーズとこの部屋を後にしたのだった。
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